コケイン症候群とは・・?

コケイン症候群は1936年にイギリスの小児科医エドワード・アルフレット・コケインが最初に発見した病気です。

彼の名前からCOCKAYNE SYNDOROME (CS)と呼ばれます。

極めて稀な早発老化症で、常染色体劣性遺伝の病気です。100万人に2人の頻度で発症します。日本には70人~100人くらいの患者がいると推測されます。

紫外線性DNA損傷の修復システム、特に転写領域のDNA損傷の優先的な修復が働かないために発症する早老様形質を伴う稀な光線過敏症紫外線症です。

通常の人の4倍のスピードで機能老化が進むと言われています。それにより発育障害が起き中枢神経や末梢神経に障害が現れます。治療法はなく対症療法しかありません。10~20歳代までに亡くなる患者が多いですが、最近では20歳を過ぎ30歳代でも存命している患者がいます。

コケイン症候群はどのような症状がありますか?

生まれた時は健常児と全く同じですが次第にコケイン症候群に特徴的な症状が少しずつ現われます


主な症状は次の通りです(症状は個人差があります)

• 低身長 ・低体重

• 小頭症(小さな頭)

• 栄養障害

• 知的障害

• 不安定な歩行

• 日焼けしやすい

• 網膜色素変性症 白内障 (進行形)

• 難聴 (進行形)

• 虫歯になりやすい

• 腎不全

・睡眠障害

治療方法はありますか?

コケイン症候群は根本的な治療法はなくその時々に対処療法がおこなわれています。

・食事量が減少し、栄養・脱水が起きる可能性があるため胃ろうや経管栄養を検討します。

・足などの関節が固くなっていくため転びやすくなり怪我防止為頭部保護帽子や車椅子を使用します

・日焼け止めや長袖帽子などで紫外線を防止します。

・補聴器を検討します。

・腹膜透析を行う場合があります。

CSは症状の違いや進行の速さから4つのタイプに分類されます。

CSⅠ型・・・・古典型ともいわれ最も多いタイプです。出生時にまず日光過敏がみられ、

        生後1年以降に成長の発達遅滞が現れます。

CSⅡ型・・・・重症型といわれ、出生直後から成長障害みられます。

CSⅢ型・・・・軽症・遅発型といわれ思春期以降に発症します。

XP/CS型・・色素性乾皮症(XP)とCSの両方の特性を併せ持ちますが皮膚がんの

        発癌傾向はないと言われています。


どのように診断されますか?

細胞への紫外線照射やDNA検査をします。CT・MRI検査で脳内の石灰化を確認することに

より、比較的早い時期に診断できるようになりました。

遺伝性のため患者の両親はどちらも遺伝子変異を持つキャリアです。

患者の兄妹が遺伝する確率は25%です。

キャリアではあるが症状の出ない確率は50%です。

そしてキャリアにならない確率は25%です。